キング牧師を描いた映画『グローリー/明日への行進』(6月19日公開)の
テーマ曲「Glory」をHEAVENESEがカバー!!
「日本人だからこそ観るべき映画」そう語るHEAVENESEリーダー、マレ
今、なぜグローリーなのか。
その思いに迫る!!!
15世紀中期、ヨーロッパは大航海時代を迎えた。
それは、すなわち、植民地主義の台頭を意味していた。
有色人国家を武力で征服し自国の植民地とし、労働力と資源を搾取することによってヨーロッパは発展した。
アフリカや東南アジア諸国、つまり有色人国家は、次々に白人列強の植民地となり、言語や独自の文化が破壊されていった。
アメリカの奴隷制度は、その延長にすぎない。
優越民族である白人が、劣等民族である有色人種を支配するというおぞましい支配構図は地球規模に及んだ。
世界は白人の天下となり、有色人種が白人と肩を並べることなど、奇跡が起らない限り有り得ないと思われた。
しかし奇跡はおきた。
それが日露戦争である。
東洋の小さな島国日本が、ヨーロッパの大国ロシアを打ち負かしたのである。
無敵といわれていたバルチック艦隊を、開戦後わずか30分で殲滅させた「日本海海戦」は、それまでの海戦史上類を見ない「完全勝利」だった。
日露戦争での日本の勝利は、400年以上もつづいてきた「白人による世界支配」の時代の終焉を意味していた。
それは世界史の重大な転換点であり、まぎれもなく20世紀で一番大きな出来事である。
日本が世界を変えたのだ!
白人に支配され、搾取され続けて来た世界中の有色人種たちが日本の勝利に熱狂した。
中国の孫文は言う。
ー これはアジア人の欧州人に対する最初の勝利であった。この勝利は全アジアに影響を及ぼし、全アジア民族は非常に歓喜し、きわめて大きな希望を抱くに至った。大国の圧政に苦しむ諸民族に民族独立の覚醒を与え、ナショナリズムを急速に高めた。
元インド首相のネールはこう回想している。
— 世界中は、ちっぽけな日本なんかひとたまりもなく叩き潰されると思っていた。アジア人は西洋人には、とてもかなわないと思っていたからだ。ところが戦争をしてみると、その日本が勝ったのだ。私は、自分達だって決意と努力しだいではやれない筈がないと思うようになった。そのことが今日に至るまで私の一生をインド独立に捧げることになったのだ。私にそういう決意をさせたのは日本なのだ。
トルコ皇帝は日本に最大の賛辞を贈った。
— われわれは、日本人の成功を衷心から喜ばなくてはならない。ロシア人に対する日本人の勝利は、すなわちわれわれの勝利である。
トルコでは道路の名前にトーゴーストリートが登場するほどの熱狂だった。
黒人の歴史学者レジナルド・カーニーも、日露戦争での日本の勝利の意義についてこう記録している。
ー ただ単にロシアをやっつけたというだけではなく、白人が有色人種を支配するという神話を完全に打ち砕き、『他の呪われた有色人種たち』の秘められた力を引き出すきっかけを作った。
それが日本だった。
アフリカ系アメリカ人の新聞ニューヨーク・エイジ紙によれば、「日露戦争は、すなわち『遅れた人種』がもはや欧米帝国主義によって邪魔されることのない、新しい時代の幕開けを象徴する出来事だった。つまり、黒人の中の『ヨーロッパによる略奪と搾取』から、アフリカ大陸を取り戻す意識を再び目覚めさせた」できごとだったのだ。
遠い祖国アフリカから強制的に連行させられてきた黒人たち・・・。
人間以下の存在と看做され、白人支配者にとっての「動産」でしかなかった存在。
白人に刃向かうことなどできない。
彼らを超えることなど夢のまた夢。
自由も人権もない奴隷なのだから。
しかし彼らの中にある民族の誇りと魂は、再び息を吹き返し、決して消えることのない激しい炎となって燃えあがった。
「自分たちにもできる!」
彼らは目覚めたのだ。
不可能だと思っていた白人支配の打倒が、小さな有色人種「日本人」によって可能であることが証明されたからだ。
そして彼らは立ち上がった。
それが公民権運動へとつながり、キング牧師へと受け継がれていったのだ。
ブラックアメリカの魂の鼓動は、遠く離れた東洋の国によってもたらされた。
日本の日露戦争勝利とは、それほど大きな一撃だった。
日露戦争は人種差別と戦うあらゆる有色人種たちの誇りを取り戻させ、彼らが独立を勝ち取っていく歴史の転機となり、日本人は、勇気と正義の気高い道への門を開いた張本人なのだ。
ー 日露戦争の行方に注目していたアメリカの黒人にとって、日本人がロシア人を倒したという事実は、彼らが生涯経験したことの中で、最も満足のいくものの一つであった。
なんと言っても、白人が有色人種を支配するという人種構造は、決して真理ではなく、ただ作られた神話に過ぎないということを、明確に世界中に知らしめたのだから。
この戦争を契機に、黒人は日本人が自分たちと同じ有色人種だという同胞意識を強く抱くようになった。
この日本という小さな茶色い人々のイメージは、もはや黒人の意識の中で消すことのできないものとなってしまった。ー レジナルド・カーニー