Concert Review
2013.Oct 13 Sun. Tokyo International forum
東京国際フォーラム 大奉納祭
2013年夏、着歌配信からスタートしたキャンペーン「大奉納祭 The Road to the city of Peace」のセミファイナル。
初の東京国際フォーラム公演。「大奉納祭/もっと日本が好きになる」
かつてない規模、かつてない制作チーム、かつてない人数で作り上げられたステージは、
2013年のHeaveneseの躍進を象徴するかのような壮大なエンターテイメントショーとなりました。

日本で唯一「奉納演奏」を活動の主軸に据えている一座にふさわしく、この日、会場には幻想的な光に彩られた巨大な鳥居が登場。
国際フォーラムCホールは、国際フォーラム神社へと生まれ変わりました。

オープニング映像はこの日にあわせてリニューアル。
(なんとHEAVENESEの拠点であるKICK BACK CAFEスタッフも映像の中に登場しているのです)
オープニング映像に続き、スクリーンには、神武天皇東征を導いたと言われる伝説の鳥「八咫烏(やたがらす)」が宙を舞い、 いよいよ、一夜限りの国生み物語の始まりです。

1. The Code of the Samurai

武士道がテーマの定番オープニングナンバー。
虚無僧が吹き込む息が、受け継がれてきた日本の音色となって会場に響き渡ると、
二人のサムライがステージの上下から登場。
まさに一戦を交えんとするそのとき、神の元から遣わされた第三のサムライが二人の間に割って入ります。
すると二人は刀を鞘におさめ、ゆっくりと後ずさりしながらその場を去っていきます。
この場面、光と闇の戦いを象徴しています。
第三のサムライは正義の使者で、無益なことのためには戦うなと諭すというストーリーなのです

二人が去った後、ステージ中央に残った正義の使者が所作を披露します。
そしてバックには英語によるナレーションが。サムライの語源や、忠実さについて語られます。
しかし彼は、その場に迫る邪気に気づき顔をあげるのです。正しいことを行わせまいとさせる邪悪な空気に戦いを挑み、エイ!と闇を切り捨てると、 それを合図にCode of the Samuraiの始まりです。
バンド演奏が始まると、場面は代わり戦場です。

サムライたちがステージの上で所狭しと戦いを繰り広げます。
しかしサムライたちは、ただの狂気ではなく、主君のために忠誠を誓い、究極的には平和を作り出すために命を捨てる覚悟で戦っているのです。
そのサムライたちの勇気と忠誠心がこの場面のメッセージです。

戦いは終わり、最後は戦っていたはずの侍たちが、刀と鞘で十字をつくり、退場していきます。これはアメリカ公演のための演出です。
ご存知のとおり教会社会であるアメリカでゴは、一般的に多くの人が教会に通い、観念としての十字架を意味しています。それは、許しの象徴なのです。ゴスペルというカテゴリーで活躍し、一般的なアーティストが出演できない、各地の教会という舞台を与えられるHEAVENESEならではのものです。
戦いの後に象徴的に十字架を見せることで、サムライの持つ「忠実」や「勇気」が決して彼らの共有するキリスト教的イデオロギーの世界観と異質なものではないのだということを、象徴的にメッセージとして発しています。HEAVENESEが世界に発信するメッセージは
東洋と西洋の融合、つまり「和」なのです。

2. All of me

HIDETOMO演出によるボーカル登場シーンから、フルバンドとしてのオープニングナンバー
として定着している All of Me。

今回はオープニング曲からほぼ全曲、新井風味のメンバーたちが踊ってくれました。

3.You are Good

ねぶたのかけ声、ラッセラーから、米国で有名なIsrael and the Breedの楽曲を、
和心でアレンジした You are good.この曲はレーベルプロデューサー Sheila Eからの「アメリカ人が知っている曲を」という助言を受けて導入した曲です。
昨年の米国ツアーからすっかり定番となりました。
曲の途中に出てくる歌舞伎っぽいフリは、響ファミリー・アキトによる振り付けです。

この曲のエンディングは、実はアンドレ・クラウチのAll Because of Jesusのエンディングです。そのエンディングでは、 ボーカルチームに加え、忍者も登場し、よさこい風に踊ります。この箇所はもちろんHIDETOMOによる振り付け。
アメリカではこういう動きがとにかく喜ばれます。

4.Greeting

実はHEAVENESE Leader マレが、ポリドール時代、 ソロでツアーしていた頃に、いつのまにか歌い始めた旋律によるグリーティング。
世界共通語であるハレルヤーを歌うことで会場が一つになる瞬間です。 イスラムの王族の前では、アル・ハンムドゥリッラーとうたい、 ときにはイヤサカ〜と歌うことも。

5.Mighty Wind

伊勢神宮の中にある「風日祈宮」で体験したとても不思議な出来事について歌っている曲。
サビでは観客も一緒にフリをやってもらいました〜。
次回のライブでも一緒にやって下さいね。

6.生まれる前にいた場所へ

在りし日の日本の心を忘れないでという思いを込めたこの曲は、
毎週水曜日に行われているHEAVENESE BRIDGEのテーマ曲。
じわじわと人気があがっています。赤坂ブリッツ公演をおさめた LIVE DVDに収録されていますが、来年は新たにレコーディングしな おしたスタジオ版も発売の予定です!
乞うご期待。

7.It's so easy

津軽三味線のソロが聴衆を伝統的「和の世界」に誘った直後に、レゲエと阿波踊りが融合したグルーブのIt's so easyが人々を新たなる融合の世界へ導きます。
この曲は、アメリカより緊急来日したラッパーアーキーズが一番好きだと言う曲。
彼が来てくれている以上、演奏しないわけにはいきません。

It's so easy から続けて太鼓デュオ。そして太鼓に合わせたサムライたちによる棒術。
そして、再び間髪を入れずに始まる、太鼓デュオ。
客席から他のバンドメンバーがパーランクを手に登場すると、今回初登場のTeam Tadotaによる忍者アクロバット。
それぞれが、それぞれの立場で、日本の心を全身で発信してくれました。

8.コント大奉納そろばん

いよいよコントの始まりです。
HEAVENESEコンサートでは笑いは絶対にはずせないもの。
赤坂ブリッツで初披露したソロバンコントのニューバージョン。
江戸時代、和算が大ブームとなり、人々が競い合って算術の勝負をしたのですが、
彼らは答えがわかるとそれを神社に奉納したのです。
答えは神から与えられたものという認識だったのですね。
そんな歴史の一ページを、『大奉納そろばん』と銘打ってコントにしたのが 今回のこのコーナー。
赤坂ブリッツでは、寺子屋が舞台の『初めてのソロバン』でしたが、
今回は、神社の境内で行われた和算塾が舞台でした。
響ファミリーも大活躍。ゆかちゃんは妊娠8ヶ月なのにすばらし芸者演じてくれました。

9.ええじゃないか

幕末、庶民の間から始まった「ええじゃないか」運動。
激変する時代に翻弄されるどころか、音楽と踊りによって力強く変化を受容し、新しい時代を気付いていた庶民の力を、ドラマチックに表現する
新井風味のダンスの魅力が炸裂する楽曲です。

10.3N1

ステージ上に太鼓を素早く並べるために、忍者アクロバットが大活躍。
太鼓奏者ではないメンバーたちが、太鼓に持ち替え、入魂のプレイ。
この瞬間を楽しみにして下さっているお客様も多く本当に嬉しい限りです。
太鼓チームじゃないのに、太鼓の楽曲が大人気のHEAVENESE。
いつの日か太鼓コンテストにエントリーするかもしれませんよ!!!

トーク

HEAVEESEは日本精神を発信する音楽一座。Marreが語る日本精神メッセージはコンサートの大切な柱です。この日は「八紘一宇(はっこういちう)」など、教科書から消えてしまった日本の心が紹介されました。

11.シルクロード

HEAVENESEの米国デビューCDのタイトル曲。
一年目の米国ツアーでブレイクしたことがきっかけでSheila Eからのオファーを受け、彼女のレーベルでのリリースとなった曲です。
隠された日本の歴史にスポットを当てた壮大な歴史ロマンを
歌い上げたバラード。
HEAVENESEの代表曲の一つです。

響ファミリーのカズマ&アキトによる連獅子が登場すると、最前列の子供たちは目を丸くして釘付けです。
力づよい獅子の舞は、エンディング曲へと。

12.LIFT

アンドレ・クラウチのボーカルアレンジと、ケニス・クラウチのトラックアランジによる代表曲。
ほとんどのショーでコンサート本編の最後を飾る曲。

アンコール
1.アメージンググレイス

Kumikoと巫女さん姿のカリンちゃんがが静々と舞台上下から登場し、 ステージ中央で交差すると、Kmikoは正面に向かい魂のこもった アメージンググレイスを熱唱。巫女さんは祈りを捧げるという場面。
「神の恵み」という大きなテーマを歌う有名なゴスペルですが、 古来から伝わる日本の道の中にもあふれる大きな恵みを表現した HEAVENESEならではの演出と大好評でした。

2.Tell Everybody.

最後はおなじみにエンディング曲。出演者全員ステージに集結し、観客と一つになった瞬間でした。

最後には再びHIDETOMOが登場し、一夜限りの、フォーラム神社における国生み物語の終焉を告げて、2時間の公演が終わりました。
皆様本当にありがとうございました。



その他の写真はコチラから

ページトップへ戻る