2014年10月25日

シャバットの一日。エルサレムは商店はしまり、目抜き通りに人の姿はありません。
宗教的な聖地であるこのエルサレムは、イスラエル全土の中でもとくに厳格にシャバットが守られているようです。
マレと久美子を含めメンバーが滞在した場所は、超正当派ユダヤ教徒地区だったため、シャバットによる生活の変化をつぶさに観察することができ、非常に有益な学習ができました。

シャバットが始まると超正当派ユダヤ教徒の居住エリアは通行止めとなり、彼ら以外は立ち入ることができなくなります。
また、トーラーに則って安息日には労働をしないという決まりを守るために、シャバットがあけるまで夕暮れ近くなっても電気をつけることもありません。
マレ&クミコがステイしていたホテルの宿泊客も、超正当派ユダヤ教徒ばかり。
彼らは、日が暮れても、暗い部屋で静かに過ごしていました。
部屋のクリーニングのために、係が回ることもありません。
静かにひっそりと、まるで宿泊客がいないかのようです。
一方ロビーでは、正装をしたユダヤ教徒たちが、議論したり、聖書をよみ語り合ったりしています。
シナゴーグで祈りを捧げたあと、シャバットがあけるまで、語り合うようです。

超正当派ユダヤ教徒は、国からの援助により生活を営んでいます。
彼らは働いてはいけないのです。
しかし支給される額は決して多くはなく、裕福な生活はできません。
男子は黒の服を着て、もみあげをそらず、一見してそれとわかる装束に身を包んでいなければなりません。
毎日、聖書やトーラーを学校で学び、それを実践するという生活しなければなりません。
彼らにとって、その装束は自分たちが、世俗ではなく神の掟の中に生きているという証なのです。
イスラエル国内でも、世俗的なユダヤ人との間に、摩擦があったり、働かないで国から支えられていることに対する批判が起ることもあるそうです。
それでも、彼らがこそが伝統を保持してきた人々であり、3000年来の律法の価値を伝えて来た人々でもあります。

イスラエルは、世界最高と言われる空軍を持ち、ハイテクの最先端を行く国である一方、古来からの伝統を保持し継承していくことに、かくも真剣な国であるのですね。

この日の午後、旧市街の城壁の前で、HEAVENESEのフォトシュートを行ないました。
黄金の門の前に、日本からの応援団も合流。

撮影する前に、後援会会長堤さんが、ヌサをふってお清めの儀式。
彼はこの為に来たのです!!
神道式の儀式だから最も日本的なもののようですが、実は、古代イスラエルの祭司の清めと同じなんですよ。

詩篇 51:7 ヒソプをもって私の罪を除いてきよめてください。そうすれば、私はきよくなりましょう。私を洗ってください。そうすれば、私は雪よりも白くなりましょう。

こうあるように、古代イスラエルの祭司は、ヒソプの枝を左右にふった。それが清めの儀式だったんですね。
黄金の門で、古代イスラエルの風習にのっとった清めの儀式を行なうことは、限りなく聖書的であり厳粛で、しかも「日本的」なのでした。

撮影をしていると、地元のアラブ人の子供や親子が面白そうに見学していきます。
僕たちとも一緒に撮ってと、人懐っこく話しかけてくる少年たちや、子供連れの母親たちと、みんなで一緒に撮りました。

この場所、黄金門は、エルサレム神殿の東側に位置しています。
かつて、かの有名なイエスがメシアとして人々に熱狂的に迎えられてエルサレムに入城したときにくぐった門です。
しかしエルサレムがオスマントルコの支配下にあった時代、イスラム教徒はこの門を封鎖してしまいました。メシアの再入城を阻止するためです。
そして今、この地区はアラブ地区となっているために、いまだ閉鎖されたままなのです。
イスラム教徒もユダヤ教徒も、この門を開けることができるのは「メシアだけだ」と語ります。
そしてそのときこそ、真の平和がやってくるのだと。
聖地エルサレムというのは、聖書の世界が息づいている場所なのです。

黄金門での撮影を終えてから、この地への平和がくることの祈りをこめて、シルクロードを歌いました。

そして、ヘロデ門へ移動です。
ヘロデ門には、菊の御紋とそっくりの16花紋が刻まれています。
日本学の権威であるヘブライ大学のシロニー教授に、後日マレが直接その疑問をぶつけてみました。
「なぜ日本の皇室の紋章と同じものがここにあると思われますか?」
すると教授はおっしゃいました。「関係があるでしょうね」
やはり古代のイスラエルと日本には繋がりがあるのでしょうか・・・。

ヘロデ門の外に広がる街は活気に満ちたアラブ人地区です。
エネルギーが爆発しそうな感じです。今日はユダヤ人の安息日なので、ユダヤ人地区は閑散としていますから、余計に落差があります。
普通の状態でこれでから、何かことが起れば、よくニュースで見かける熱狂的な騒ぎへと一挙に豹変するのだろうなと合点がいきます。
それにしても彼らは陽気で、この場で撮影をしようとすると、とにかく絡んで来て、写真に入りたがります。
いつまでも、陽気な彼らと過ごしたい気持ちにふたをして、メンバーは皆、ジャパンウイークの会場へと移動していきました。

いよいよ、ジャパンウイーク最終日。
HEAVENESEがオオトリを飾ります!!


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